🌿貧血だけじゃない「貯蔵鉄」にも注目を
〜当院で可能な貧血精査と鉄補充治療について〜
「疲れやすい」「めまいがする」「朝がつらい」「息切れしやすい」
このような症状は、**鉄不足による貧血や貯蔵鉄の低下(フェリチン低値)**が原因かもしれません。
当院では、「貯蔵鉄(フェリチン)」まで見据えた貧血の精査と、症状や数値に応じた鉄補充治療を行っています。
🔎なぜ「貯蔵鉄」まで調べるの?
血液検査で「ヘモグロビンは正常」と言われたことがある方も、「貯蔵鉄(フェリチン)」が不足している場合、体内では鉄が足りていないサインかもしれません。
フェリチンは“鉄の貯金”のような存在。これが不足すると、隠れ鉄欠乏状態となり、様々な不調につながることがあります。
💊治療方法について
症状や検査結果に応じて、以下のような治療を行います。
■ 鉄剤内服
最も基本的な治療です。
市販のサプリでは補いきれない場合、医療用の鉄剤を処方します。
💊治療方法と主な薬剤
■ 鉄剤内服
最も基本的な治療法です。医療用の内服薬には以下のようなものがあります。
フェロミア®(クエン酸第一鉄)
<薬価:1錠当たり12.2円 目安:1-2か月の内服期間>
🟢メリット:自宅で継続できる治療
🟡副作用:胃の不快感、便秘、吐き気、便の黒色化などがみられることがあります
■ 静脈注射
内服が困難な方や、早期に鉄を補充する必要がある場合には静脈注射による治療を行います。
モノヴァ1000mg®静注
<3割負担の方の自己負担 薬価金額目安 1回: 3,700円程度 >
→副作用リスクが低く、1回で十分な効果が期待できます。 比較的新しい鉄剤です。
モノヴァーの効果
血液内にモノヴァーが投与されると、肝臓や脾臓などの細網内皮系細胞に取り込まれます。
その後、デルイソマルトースと複合体を形成していた鉄が離れて、体内の鉄の運び屋であるトランスフェリンと結合します。
トランスフェリンに結合した鉄は、そのまま骨髄へと運ばれ、ヘモグロビン合成に利用されることにより鉄欠乏性貧血を改善します。
※フェジン®などの注射薬も使用できますが、連日で投与が必要であり、1回のみでは効果が限定的です。
何度も病院に来て、都度注射をする必要があります。
できれば注射回数も少なめ!で済ませたい方に。投与頻度や副反応リスクなどを考慮し、現在はモノヴァ®をメインに使用しています。
1回の点滴で高用量の鉄を補給可能となり長期間貧血が改善が期待できます。
🟢メリット:内服が苦手や、消化器症状が強く内服ができない方にも対応可能、速やかな補充が可能
🟡注意点:ごくまれにアレルギー反応、静注部位の違和感が出ることがあります。
主な副作用と頻度
モノヴァーの副作用頻度は、以下の通りです。
発 熱:7.4%(22/298例)
倦怠感:2.3%(7/298例)
肝機能異常:1.7%(5/298例)
低リン血症:6.0%(18/298例)
頭 痛:3.7%(11/298例)
蕁麻疹:7.4%(22/298例)
発 疹:2.3%(7/298例)
参考:国内臨床試験(NS32-P3-01試験237例、NS32-P3-02試験40例及びNS32-P3-03試験21例)
当院は、1回1000mgを投与した後、再度モノヴァーの投与を検討する場合は、前回の投与から8週間以上空けたタイミングで血液検査を実施し、投与の可否を決定します。
ご心配な方は、お気軽にお声掛けください。
投与前に医師が丁寧に説明し、慎重に対応いたします。
🩺治療は「自分の体と向き合う機会」
鉄不足は、月経のある女性、小児、アスリート、授乳中の方など、さまざまなライフステージで起こり得ます。
当院では、単に数値を改善するだけでなく、「日々のつらさが軽くなる」治療を心がけています。
🌸気になる症状があればお気軽にご相談を
「貧血はないけど、疲れやすさが気になる」
そんな時こそ、貯蔵鉄まで確認することが大切です。
お気軽にご相談ください。
一緒に、不調の原因を探し、改善していきましょう。