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【11月のコラム】深川市の健診、HbA1c基準超えは65.2%(国・道より高め)|世界糖尿病デーに考える冬の血糖管理

2026年11月2日

深川市国保の特定健診でHbA1c5.6%以上の人は65.2%(国58.2%・北海道52.4%)。11月14日は世界糖尿病デー

雪が積もりはじめると、歩く機会がぐっと減ります。年末年始のごちそうも続きます。冬は、血糖値が上がりやすい条件がそろう季節です。

深川市が公表している「深川市国民健康保険 第3期データヘルス計画」によると、令和4年度に特定健診を受けた深川市国保の方のうち、HbA1c(過去1〜2か月の血糖の平均を表す値)が基準値の5.6%以上だった方は65.2%でした。国の58.2%、北海道の52.4%を上回っています。空腹時血糖でも、深川市は35.5%と国(24.9%)・道(23.4%)より高い割合です。

11月14日は「世界糖尿病デー」です。深川内科クリニックでは、糖尿病などを診る内分泌内科の診療を行っています。この記事では、深川市の健診データ、冬に血糖が上がりやすい理由、雪の季節の血糖管理のポイントをまとめます。

この記事でわかること

  • ・深川市の特定健診で、血糖に関する数値がどのくらい国・道より高いか
  • ・HbA1cが冬から春にかけて上がりやすい理由
  • ・雪の季節の血糖管理3つのポイント(測る・動く・備える)
  • ・糖尿病の方が冬に気をつけたい感染症と「シックデイ」
  • ・健診で数値を指摘された方、治療を中断している方へ
  • ・よくあるご質問(FAQ)

深川市の健診データ ― 血糖の数値は国・道より高め

深川市国保の特定健診(令和4年度)で、基準値を超えた方の割合です。

項目(基準値) 深川市 国 北海道
HbA1c(5.6%以上) 65.2% 58.2% 52.4%
空腹時血糖(100mg/dL以上) 35.5% 24.9% 23.4%
BMI(25以上) 33.1% 26.9% 30.7%

同じ計画では、次のような課題も挙げられています。

  • ・受診勧奨の目安となるHbA1c 7.0%以上の方は49人(受診者の4.5%)。平成30年度より割合は減少
  • ・要介護・要支援認定を受けた方のうち、糖尿病のある方は28.8%(国24.3%、道24.6%)
  • ・糖尿病が原因で新たに人工透析を始める方の割合が、国と比べて高い
  • ・1回30分以上の運動習慣がない方の割合が、国と比べて高い

糖尿病は、初期にはほとんど自覚症状がありません。だからこそ、健診の数字と、治療を続けることが大切です。

なぜ冬に血糖が上がりやすいのか

HbA1cには季節による変動があることが知られています。雪の多い岐阜県高山市の高山赤十字病院が、通院中の糖尿病患者415名を調べた報告では、HbA1cは冬から春にかけて高く、秋に低くなる傾向がみられました。1年の中での変動幅はグループによって0.26〜1.36%で、血糖コントロールがよくない方ほど変動が大きい傾向がありました。

冬に上がりやすい理由として、次のようなことが考えられています。

  • ・活動量の低下:雪道や寒さで歩く機会が減り、家にこもりがちになる
  • ・食事の変化:年末年始の行事、こたつでの間食、鍋や麺類で主食が増えやすい
  • ・感染症:かぜやインフルエンザで体にストレスがかかると、血糖が上がりやすくなる
  • ・通院の間隔があく:雪や体調不良で受診を先延ばしにし、薬が切れたままになる

深川市はもともと運動習慣のない方の割合が高く、冬はその傾向がさらに強まりやすい地域です。「秋に測った数値が、冬にどう動くか」を意識しておくことが、春の数値を守ることにつながります。

雪の季節の血糖管理 ― 3つのポイント

1. 測る:11月のHbA1cを「冬の基準点」に

HbA1cは秋に低くなりやすいため、11月ごろの数値は、冬の変化を見るための基準になります。治療中の方は、冬の前の受診で数値を確認しておきましょう。

当院では、HbA1cと血糖値を測定する分析装置を院内に備えています。HbA1cの測定には、総合病院と同様の精度をもつアークレイ社の機器を使用しています。院内の検査機器については「当院について」で紹介しています。

2. 動く:雪の日でもできる運動を決めておく

  • ・食後に室内で足踏み、テレビを見ながらスクワットやかかと上げ
  • ・天気のよい日は、商業施設の中を歩くなど、滑りにくい場所を選ぶ
  • ・除雪は体を動かす機会ですが、寒さの中での急な力仕事は心臓や血圧に負担がかかります。休みながら行いましょう
  • ・血糖を下げる薬やインスリンを使っている方は、除雪など長時間の作業で低血糖になることがあります。補食(ブドウ糖など)を持っておくと安心です

3. 備える:感染症と「シックデイ」

糖尿病のある方は、インフルエンザなどの感染症で重症化しやすいとされています。インフルエンザの予防接種がまだの方は、早めにご相談ください。深川周辺の流行状況は、10月のコラム「深川でもインフルエンザが拡大」で紹介しています。

また、発熱や下痢・嘔吐で食事がとれない日を「シックデイ」といいます。シックデイには血糖が大きく乱れることがあり、薬を飲むか・減らすかの判断は薬の種類によって異なります。自己判断で薬を中止したり、いつも通り飲み続けたりせず、主治医の指示に従ってください。体調のよいうちに、シックデイのときの対応を診察で確認しておくと安心です。

冬は足元にも注意が必要です。糖尿病で神経の働きが弱くなると、熱さや痛みを感じにくくなり、カイロや湯たんぽ、こたつで低温やけどをしても気づきにくくなります。入浴時などに足を見る習慣をつけましょう。

こんな方は一度ご相談ください

  • ・健診で「HbA1c」や「血糖」の数値を指摘された
  • ・のどが渇く、尿の回数が増えた、食べているのに体重が減ってきた
  • ・以前に糖尿病と言われたが、通院をやめてしまっている
  • ・冬になると数値が上がる、薬が切れたままになっている

深川市の計画でも、治療が必要な方が受診していない、または治療を中断していることが課題として挙げられています。久しぶりの受診でも遠慮はいりません。お薬は院内薬局でその場でお渡しできるため、雪の日に薬局へ移動する手間もかかりません。

特定健診をまだ受けていない方は、9月のコラム「深川市の特定健診はもうお済みですか?」もご覧ください。糖尿病や甲状腺の病気については内分泌内科のページでも紹介しています。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 健診でHbA1cが6.0%と言われました。糖尿病ですか?

HbA1cが6.5%以上の場合に「糖尿病型」とされ、血糖値などとあわせて診断されます。5.6〜6.4%は、すぐに糖尿病というわけではありませんが、将来糖尿病になりやすい状態の目安です。生活習慣の見直しや、定期的な検査をおすすめします。気になる方はご相談ください。

Q. HbA1cと血糖値は何が違うのですか?

血糖値は、採血したその時点の値で、食事の影響を大きく受けます。HbA1cは、過去1〜2か月の血糖の平均を反映する値です。両方を見ることで、血糖の状態をより正確に把握できます。

Q. 冬だけ数値が上がるのは、気にしなくてよいですか?

季節による変動はある程度みられますが、冬の上昇が毎年積み重なると、全体の血糖コントロールが悪くなります。冬の前に数値を確認し、春に元に戻っているかを見ていくことが大切です。

Q. 糖尿病の治療中ですが、インフルエンザの予防接種は受けたほうがよいですか?

糖尿病のある方は、インフルエンザで重症化しやすいとされており、予防接種が勧められています。治療中の病気や体調によって判断が変わることもあるため、診察の際にご相談ください。

Q. 通院をやめてしまって1年以上たちます。今から受診してもよいですか?

もちろんです。まずは現在の数値を確認し、今の状態に合った治療を一緒に考えます。以前の検査結果やお薬手帳があればお持ちください。

冬の前に、今の数値を確認しましょう

深川市の特定健診では、HbA1cの基準値を超える方の割合が65.2%と、国や道より高い状況です。冬はさらに血糖が上がりやすい季節です。世界糖尿病デーの11月14日をきっかけに、ご自身やご家族の数値を確認してみてください。

当院は、35年以上にわたり深川地区のプライマリケアを担ってきた内科クリニックです。院内での検査から院内処方まで、通いやすい形で糖尿病の治療を続けられるようサポートしてまいります。

医療機関名 深川内科クリニック
所在地 〒074-0005 北海道深川市五条2番14号
電話番号 0164-23-5511
診療時間 午前 8:30〜12:00(最終受付11:45)/午後 13:30〜17:00(最終受付16:45)
※木曜午前は最終受付11:00
休診日 木曜午後・土曜午後・日曜・祝日
診療科 内科・内分泌内科・リウマチ科

11月の混雑の見込みは、お知らせ「11月の混雑予想カレンダー」をご覧ください。

参考:深川市「深川市国民健康保険 第3期データヘルス計画・第4期特定健康診査等実施計画」(令和6年3月、データは令和4年度)、高山赤十字病院紀要 第37号「当院におけるHbA1cの測定状況と季節変動」(2013年)、日本糖尿病学会の診断基準、厚生労働省「インフルエンザQ&A」。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。治療中の方は、主治医の指示に従ってください。